おうちへかえろうプロジェクト

福岡県獣医師会は、すべての犬や猫が飼い主のいる「おうち」で暮らせる社会を目指しています

福岡県は温暖な気候に恵まれ、エサとなる魚がある漁港も多く、また都市部においては至るところに食べ物があるという繁殖に恵まれた環境が揃っています。そのために地域の容量を超えた犬猫の繁殖活動が進み、平成23年度には福岡県全体で8,000頭以上の犬猫が処分されています。

私たち福岡県獣医師会では、このような罪のないたくさんの命が消えるという悲惨な状況を少しでもなくす為、また増えすぎた犬猫の行動が地域社会に問題を起こさないようにする為にも、獣医師会内に過剰繁殖問題対策委員会を設置して検討を重ね、現在「おうちへかえろうプロジェクトと題した取り組みを展開しています。

おうちのいない犬や猫を増やさないために

殺処分される子犬・子猫の割合(平成23年度) 犬1,950匹 うち子犬299匹 猫6,211匹 うち子猫4,756匹 猫が過剰に生まれすぎているという現実。

福岡県の犬・猫の殺処分数の推移

福岡県には、おうちのない猫がたくさんいます。飼えないと捨てられたもの、もともとおうちのないところで生まれたもの、飼い主とはぐれ迷子になったもの。そしてその多くは、やむをえず殺処分されています。猫の過剰繁殖問題は、地域で考えなければならない大きな社会問題となっています。過剰繁殖問題を防ぐには、不妊去勢手術が最も有効です。私たちは、2つの方法で過剰繁殖問題を改善していきます。 あすなろ猫方式 一定地域に住み、エサなどをもらいながら地域で飼われている猫に対して不妊・去勢手術を行う 譲渡犬猫方式 動物愛護センターで譲渡される犬や猫たちに対して不妊・去勢手術を行う

おうちのいない犬や猫の飼い主を見つけるために

福岡県の犬・猫の譲渡数

動物管理(愛護)センターやボランティアの皆さんにより、各地で譲渡会が開かれています。しかし譲渡される犬や猫の数は、引取りの全体数に対し、10%に満たないのが現状です。こうした犬や猫の新しい飼い主となることで、一頭でも多くの命を救うことができます。私たちは、譲渡対象の犬や猫たちの健康チェック(福岡県動物愛護センター・久留米市動物管理センター)や不妊・去勢手術(福岡県動物愛護センター)を実施し、医療面での支援活動を行っています。

飼っている犬や猫を迷子にしないために

負傷動物の返還数(平成23年度)猫 収容703匹 返還2匹 犬 収容121頭 返還45頭 ケガを負い収容されや犬や猫のほとんどは、もとのおうちに帰ることができません。

迷子にしないためには、きちんとしつけをすることと、飼育環境を整えることが大切です。猫は室内だけでもくらせる動物です。迷子を防ぐだけでなく、外に出さないことで事故や感染症から守ることができます。犬の場合、放し飼いにしていると雷などの大きな音や、他の犬などどの争いで迷子になってしまう可能性があるます。外出時は必ずリードを付けましょう。また発情期特有の放浪を防止するためにも、不妊・去勢手術が有効です。私たちは、犬や猫がもともと持っている性質に基づいた正しい飼い方の指導や、猫の完全室内飼いの推進、ノーリードの撲滅を行っています。

迷子になった犬や猫をもとのおうちにかえすために

完全室内飼育の猫であっても、名札を付けて下さい。犬の場合は名札や鑑札・狂犬病予防注射済票を必ず首輪に付けてください。名札やマイクロチップなど飼い主がわかるものを身につけていると、万が一迷子になってもおうちへ帰ることができます。私たちは、「動物と飼い主を結びつける確実な絆」となるマイクロチップによる登録を推進、飼っている犬や猫が迷子になった際のガイドラインの作成、ホームページによる迷子情報提供などのシステム構築を行っています。

※データは福岡県庁ホームページによるものです